記憶の織物で服をつくる
昨日は招待状をいただいたので、大阪厚生年金会館大ホールに上田安子服飾専門学校の「第116回上田学園コレクション LIFE ファッションと、生きていく」を見に行く。来賓席にチームつかもとの塚本昌彦神戸大学教授を発見。右目の前にはヘッドマウントディスプレイ。ほんとに日頃からつけているんだ。ショーの中にウエアラブルコンピュータのパートがあったので、その関係で来ていたのだろう。そのショーに出てきたウエアラブルコンピュータ作品というのが、ピカピカ光るLEDを使った服ばかりだったのだが、いまいちおもしろみがよくわからない。僕は紅白歌合戦の小林幸子やロバートレッドフォードの「エレクトリックホースマン(邦題「出逢い」)』を思い出していた。客席の塚本教授のほうがアニメキャラみたいでよほどかっこいい。
それよりももっと惹かれる服は、17日のホットワイアードのニュースが紹介していた録音済みのカセットテープを、他の繊維と一緒に織り込んだ布、ソニックファブリックを使った服だ。アメリカのアーティスト、アリス・サントロが開発したソニックファブリックはテープレコーダーのヘッドを押し当てて動かすと、何曲かの音楽が混ざり合ったような音が聴けるらしい。布自体が見ることも聴くことも触ることもできるサウンドコラージュだ。ハードディスクを仕込んだウエアラブルコンピュータは、人間の機能を拡張する一種の機能性のスポーツウエアのような気がする。それに対してカセットテープというアナログな記録メディアを織り込んだ服は、とても優雅で感傷的にアナログな記憶を纏うものにもなりそうだし、ノイジーなおもちゃにもなりそうだ。
ソニックファブリックの通販サイトでは布やバッグが買える。
IBM ヘッドマウントディスプレイ DataGlass2/A 14P7894
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- 作者: 塚本昌彦
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