ミスタービルは引き回され男の原点

joho19602006-04-28

 ジムジャーミッシュの新作『ブロークンフラワーズ』が、ちょっと見たい。
 大阪では明日から公開だ。
 主演はビル・マーレー
 黄昏れてきた男が偶然にゆるく引き回されるというストーリーではないか、と想像している。
 ビル・マーレーは、いつの間にかこういう役どころを得意にするようになった。
 そこで、思い浮かぶのはロストイントランスレーション
 ではなく、さらに遡って、1970年代末の「ミスタービル」だ。

 ミスタービルは、サタデーナイトライブの中で放送されていたクレイアニメーション
 ビルマーレーはこの声を担当していた。
 こういう笑いを確かに日本のインディーズ映画でも見たことがあるなあと思う。
 そういう立派なバカ映画だ。
 
 クレイアニメと書いたが、コマ撮りなどという七面倒くさいことはしない。
 リアルな人間の手のミスターハンドが出てきて、ミスタービルと遊ぶ。
 ミスターハンドは乱暴にするつもりはないのかもしれないけれど、
 なにぶんミスタービルが粘土なので
 風船を持たせれば腕が飛ぶし、
 綱渡りをすれば落っこちてバラバラになるし、
 電動ドライバーで大工仕事をすれば、おなかに刺さってくるくる回る。
 毎回毎回ぐしゃぐしゃになってしまうのだ。 
 
 なあんだ、こんな頃からビルマーレーは、周囲との関わりに引き回される男を演じていたんだね。


 

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