見せ物小屋の造形師Mark Friersonが造る謎の生物たち
東京・上野の国立科学博物館で10月17日から始まる化け物の文化誌展には、
各地に伝えられてきた天狗や河童の遺体などが展示されるらしい。
それは、楽しいことなんだが、ご丁寧にX線を当てたりして、いつ頃作られた人形だとかまで明らかにしてしまう展示のようだ。
プロレスに筋書きがあることを、叶姉妹が姉妹でなくユニットであることを誰もが知っているのに誰も口にしないのと同じで、
河童の死体は河童の死体であって、河童の人形であるはずがないとしておいてほしかったものだ。
それが日本人らしい、つつしみというものだろう。
これが、アメリカならば話は別だ。
プロレス団体WWEが株式公開するために、シナリオの存在を公式に認めてしまうような国では、
サイドショーと呼ばれる、いわゆる見せ物小屋に展示される自然の神秘を教えてくれる怪異な品々も
俺が作ったんだよっと、作り手が身も蓋もなく自慢げに名乗り出てきて、
専門の造形職人としてレスペクトされたりしているのだ。
なかでも、Mark Friersonさんは20年、サイドショーの看板書いたり、怪しいものをでっちあげてきた有名人。
スピルバーグなんかのためにも作っている。
公式サイトの写真を見る限り、
サーベルの歯を持つコブラとか、
精巧にできているというより、
チープであやしげで、そこがいい感じ。
サイトには「お値段、ご相談にのります」みたいなこと書いてあるし、イーベイにも出品している。
いわば、作家ものの謎の生物のミイラとか、ってこと。
見せ物小屋の、悪い夢見そうな体験が秋葉原や日本橋の貸しボックスの商品陳列を見るような体験にすり替わってしまうような感じ。
これで、いいのか。