へドリアン女王は死なない
特撮戦隊ものの女王、曽我町子さんが亡くなって2週間あまり。
その死を悼むメッセージは、曽我さん自身のお店ステラの掲示板をはじめ、特撮系などの掲示板にものすごい数書き込まれて未だ止まらない。
それは、パワーレンジャーの放送された海外でも変わらない。
海外では、「これで誰がパワーレンジャーを止めるんだ!」とか「月で行われる彼女の葬式に出席しなくちゃ」とか書き込まれているのをみた。
日本では、多くのファンが子どもの時にデンジマンのヘドリアン女王などに、どれほど強烈な印象を受けたかといったことを綴っている。
と、同時に、訃報の報道からはじめて、自分の知らない出演作を知ったとか、
大人になってから、この作品にも出ていたのかと知ったといった書き込みを多く見かけたのが興味深かった。
刷り込みになるほどにその演技に圧倒されても、曽我町子はその後の出演作を視聴者が追いかけてみるという役者ではない。
曽我町子は子どもが没入して見た物語の中の登場人物であって、他の物語の中にはいるはずのない人物だ。
だからこそ、曽我町子が、つまりヘドリアン女王が死ぬなんて考えられないこと。
むしろ、900年後に蘇ると言われた方が納得しやすい。
大人になって、物語の魔術が解けたときに人はやっと、ヘンドリアン女王ではなく女優・曽我町子の他の仕事を発見する。
たとえば、ヘンドリアン女王の高笑いが怖かった子どもは、女優・曽我町子はジュウレンジャーのバンドーラでもあったことを大きな驚きで発見するだろう。
曽我町子は発見され続ける役者なのだと思う。これからも、ずっと。
YouTubeにも追悼のビデオがいくつか上がっていた。そのうちの一つだけ。
http://www.youtube.com/watch?v=c6Yn04G7x6A
もうひとつ、ジュウレンジャーから曽我町子さんの楽しそうな唄を。ドドドーラ、ドドドーラ……
http://www.youtube.com/watch?v=cZrjt7Kal2I
どうぞ、やすらかに。
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