スーパー人工心臓のサッカー選手がW杯に出たとしたら?
稲本潤一の所属するウエストブロミッチにはナイジェリアの英雄、ヌワンコ・カヌーがいる。
カヌーはアトランタオリンピックでナイジェリアが優勝を果たしたときのキャプテンだった。
彼はこの年、アフリカ最優秀選手に選出される。
しかし、その栄光の直後、彼のサッカー人生は突然、暗転する。
彼の心臓には重大な欠陥があることが判明し、サッカーをやめるように医者に勧告されたのだ。
しかし、彼はその勧告を退けて、死のリスクを承知で心臓の切開手術を受け、18ヶ月のブランクを経て復活。
インテル、そしてアーセナルで活躍。
1999年、2度目のアフリカ最優秀選手賞を受賞した。
彼は今、心臓病基金を設立、アフリカ大陸に心臓病専門病院を開設する活動にも取り組んでいる。
いい話だ。
そこで、僕はひとつ想像する。
仮にカヌの病気が心臓の移植が必要なもので、そのために人工心臓をつける手術が必要だったとしたら。
そして、どうせ人工心臓にするなら、いいものにしちゃおうと、最高の心肺能力を保証する画期的な人工心臓を埋め込んだとしたら。
カヌーほどの技術を持ったプロが、最高の心臓を手にしたら、間違いなく活躍するだろう。
そうしたら、これは、難病を克服して活躍するいい話となるだろうか?
ドーピングにはかからないかもしれないが、
サッカー選手としてのレギュレーション違反のずるにならないだろうか?
ポピュラーサイエンスに事故などのために失った手足のかわりに、そのスポーツを行うために特殊に開発された手足をつけてプレーし続けるアスリートを紹介する記事が出ていた。
たとえば、登山家のウォーレン・マクドナルドは、膝から下を失った両足のかわりに、雪の斜面をしっかり咬んで身体を支えることに特化した義足をつけて、キリマンジェロ登山に成功したんだそうだ。
これは、たぶん美談だ。
そして、こういう人工物と人間の融合はこれからきっと広がっていく。
ワールドカップの行われているドイツでは、ロボットによるサッカー大会ロボカップが開催される。
ロボカップのめざすところは、ワールドカップ優勝の人間チームとロボットチームの対戦だが、
その前に、人間とロボットの境がはっきりしなくなってしまうかもしれない。
とりあえず、ロベルト・カルロスの左足には
名探偵コナンの右足と同じ装置が埋め込まれているのではないかと、うたがってみたい。
人工臓器物語―コンタクトレンズから人工心臓まで (ポピュラー・サイエンス)
- 作者: 筏義人
- 出版社/メーカー: 裳華房
- 発売日: 2002/05/01
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
- 作者: Warren Macdonald
- 出版社/メーカー: Hardie Grant Books
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る