日本エルエスアイカード 故・大木信二社長

 日本LSIカードの笹尾秋孝前社長の逮捕の報道をテレビで見ているとどんよりした気分になってくる。もう5年以上前になると思うが日本LSIカードの最初の社長の大木信二さんにインタビューをしたことがある。テーマは産学連携。媒体は大阪新聞だった。なんだか、おもしろい社長だった。蝶ネクタイでカラオケが好きで、将来はいながらにして、アフリカのサバンナで熱唱する体験ができるようなバーチャルカラオケを開発したいんだとか言っていた。もちろん本題はそんなことではなく、当時は和歌山大学の教授だった石黒浩先生の開発した全方位センサーの事業化についてきいた。そのしばらく前に、僕は京大時代の石黒先生にインタビューしていて、石黒先生にも全方位センサーにもすごい可能性を感じていて、大木社長とは「あの先生は天才ですよね」とかお気楽に談笑していたのだ。それから数年後、大木社長は急逝されたわけだけど、設立時に出資していたヴィストンが石黒先生をブレーンとして開発した自立ロボットのヴィジオンで現在華々しく脚光を浴びている事実や、現在、産業界を変える技術として浮上してきたICカードICタグ、RF-IDの発展につながる非接触ICカードを最初に実用化した実績から考えると、確かな先見性を持っていたと思う。それなのに、笹尾逮捕の報道だもん。どんよりしちゃうよ。
 大木社長のキャラクターは、大阪産業創造館のサイトに残っているヴィストンの大和信夫社長のインタビュー記事からちょっとうかがえる。
日本橋定点観測には日本LSIカード移転の写真が出ている。これがまたどんよりしてしまう絵だ。
 日本LSIカードを食い物にした笹尾社長の背後には誰それさんがいるだとか、逮捕劇の背後には怪しい名前が飛び交っているらしい。それも、知っている人にとってはいつもの名前が。ややこしいなあ。好きでものづくりやってる人には機嫌良く商売やらせておいてほしい。阿修羅掲示板に出ていたライブドア事件関係図とかみても、本当にややこしい。こういうややこしさには足をとられたくないと思う。

架空増資疑惑:ICカード製造会社LSIを追求 大阪府警 
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20060206k0000e040017000c.html
 

コミュニケーションロボット―人と関わるロボットを開発するための技術 (知の科学)

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