触れると、時間が溶け出す

joho19602006-02-24

 今日から東京都写真美術館文化庁メディア芸術祭の受賞作品展が始まったはずだ。アート部門の大賞をもらったんだから、Khronos Projectorもきっと展示されているんだろう。ナマで触ってみたい。これ、おもしろそうなんだよな。ネット上ではマウスで画像をクリックすることしかできないが、ナマではスクリーンに直接触れて、触った領域だけ画像が動き出すはずだ。画像の向こうに溜めてあった時間が、触った領域だけ溶け出すみたいな感じ。触っていない領域は時間が止まったままだから、動き出した領域の画像はゆがむ。通勤時間に駅にたくさんの人が歩いていく中にいて、わざとふっと歩く速さをゆっくりにすると、風景の中で自分のところだけ違う時間の流れがあるような気がすることってない?ああいう感覚をちょっとこのシステムからは感じるんだよね。作家のアルバロ・カシネリさんの東京大学の研究室のサイトではマウスで遊べる。
 エンタテイメント部門大賞Flipbook!も楽しい。絵を動かしたい初期衝動がそのまま定着できる感じ。マンガ部門の大賞は吾妻ひでおの『失踪日記』だ。この3つを大賞に選んだのは正解。



失踪日記

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